「母の日」

    kuni72
ちょいと 小話で いっ刻きを濁したく存じます

やい!ぽん太 あした全国的に母の日ってぇことになってるが
おふくろさんに 何かして差し上げたかいっ!

えっ なにっ! 何もやってねぇって!
じゃぁ 温泉へでも連れてって 背中流してやったらどうだいっ!

「母上 お背中お流しいたしましょうか・・・お歳のわりには
相変らず お美しい肌をしてますね」
「まぁ この子ったら・・・おほほほ・・・(コラッ!
”お歳のわりには”は余計なんだよ!)

えっ なにっ! 照れくさくて 言えねぇだとっ!
べらんめぇっ!
親子にゃ 親子の節ぶしのあいさつってぇものが あるんでぇ
言ってみりゃ 情だっ!

正月にゃ 「父上 母上 新年あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」
「ふむ おめでとう」 だろうって

年越しにゃ 「父上 母上 今年も無病息災で家内安全にて
除夜の鐘を聞くことができました 長生きしてください」
「ふむ 有り難い事じゃ」 だろうって
  

嫁だしは 「父上 母上 長い間お世話になりました 感謝に
絶えません どうぞ お達者でお過ごしください」
「ふむ 相わかった お前も元気でな 我われのことは忘れて
新しいご両親を実の親と思って仕えるのだぞ」  だろうって

嫁どりは 「父上 母上 本日私どもは夫婦と相なりました
共に徳を積み一日も早く家督を継げるよう努力致しますので
どうかよろしくご指導下さいますようお願い申し上げます」
「ふむ 相わかった 精進しなさい」  だろうって

なっ ぽん太 試しに 一遍 口上 言ってみろいっ!
そうすりゃ 次から次へと ポンポン 出てくるもんだっ!
声が小さいっ! ぽん太 それじゃ耳の遠いおふくろさまに
聞こえんだろうって  そうだっ! 言えるじゃねぇか

「母上 背中が 終わりました・・・つぎは前を向いて下さい・」
バーロー 背中だけで いいっつうの!
調子にのるなっ!



昔の人は よく言ったもんだ
親孝行 したい時には 親はなし ってなっ!
近頃はよっ 親孝行 したい時には
「あなた どなたはん?」 だとよっ
天然の ぽん太の顔がわからねぇってことよ
いつ するのっ! 今でしょっ! ってぇことよ

えっ なにっ! 湯にのぼせるから 温泉いやだってっ!
じゃぁ あれどうだ あれ くびわ 首輪じゃねぇ ワンこうじゃ
ねぇんだから あれよっ そう 首にひっさげるやつ 磁石の
ついたやつ そう ネークレス  どうだいっ!

えっ なにっ! 真珠の大玉もってるから いらないってっ!
おう おう そうですかい そうですかい

じゃぁ 流行歌の譜盤 どうだいっ 東海林太郎の
名月赤城山 泣けてくるぜぇ

えっ なにっ!  好みじゃねぇって!
じゃぁ これだっ!  これしかねぇっ!
ぽん太の描いた おふくろさんの似顔絵  どうだ!
えっ なにっ!  下手だから いらないってっ!

じゃぁ いってぇ おふくろさん 何が望みなんでぇ

えっ なにっ! ぽん太の笑顔がみたいってっ!
えっ なにっ! わが子の笑顔で充分 あとは何にもいらないってっ!

えらいっ!  ぽん太のおふくろさん えらいっ! はなまるだ!
世界一だっ!  母親の鏡だっ!  山田君 座布団 全部やってくれ

やい ぽん太!こうなったら 百万遍 笑ってやれっ!
えいっ! 面倒だっ! 顔ごと全部くれてやれっ!!

作者のつぶやき(努力の割には陳腐の域をデレナカッタ 才能が欲しい)